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岩国市の特徴

山口県岩国市は、県の東端に位置し、人口は129,125人で県内で五番目に多く、面積は873.72km²で山口市に次いで二番目に大きく、瀬戸内海から中国山地まで広がり歴史的な名勝、世界的にも珍しい天然記念物、そして国際的な側面を持つ、非常に多面的な特徴を持つ都市です。

岩国市の魅力①工業都市や軍事拠点への発展の歴史

岩国市は、近世初期に成立した岩国藩とその藩主である吉川氏の歴史が深く根付いており、近代以降は工業都市・軍事拠点として発展してきた都市です。

岩国市の歴史における主要なポイントは以下の通りです。

 

1. 岩国藩と吉川氏の時代（近世）

 

 

関ヶ原の戦いと岩国藩の成立

 

• 吉川広家（きっかわ ひろいえ）：岩国藩初代領主。関ヶ原の戦い（1600年）において、西軍の毛利氏に仕えながらも徳川家康と密約を結び、毛利家の存続に貢献しました。

• 減封と領地: 戦後、広家は出雲国など14万石から周防国（山口県東部）の岩国3万石へ移封され、岩国藩の基礎を築きました。

 

岩国城の築城と破却

 

• 築城: 広家は、錦川を外堀に見立てた横山に居館（御土居）と山城（岩国城）を築きました。岩国城は慶長13年（1608年）に完成しました。

• 一国一城令による廃城: しかし、完成からわずか7年後の元和元年（1615年）に、江戸幕府の一国一城令により、岩国城は破却（取り壊し）されました。その後、藩政は山麓の御土居を中心に行われることとなります。

 

錦帯橋の創建

 

• 城下町の分断: 城下町は錦川によって分断されており、洪水で橋が流されるたびに、藩政運営や家臣の生活に不便が生じていました。

• 架橋: 第三代領主の吉川広嘉（きっかわ ひろよし）は、流されない橋の建設を悲願とし、中国の西湖の橋などから着想を得て、知恵と技術を結集。延宝元年（1673年）に錦帯橋を創建しました。この五連のアーチ橋の完成により、岩国の城下町が一体化し、近世岩国藩の姿が完成しました。

 

2. 近現代の発展

 

 

産業の発展

 

• 近現代に入ると、岩国市は山陽道の宿場町としての歴史的背景と、瀬戸内海に面した立地を活かし、工業都市として発展しました。

• 高度経済成長期には、石油化学、繊維などの素材型産業が臨海部に集積し、岩国大竹コンビナートを形成し、地域経済を支えました。

 

軍事・国際的な拠点

 

• 戦後、旧日本海軍の基地跡地に米海兵隊岩国航空基地が置かれ、「基地のまち」としての側面を持つようになりました。現在も日米共同使用の基地として重要な役割を果たしており、市は国際色豊かな地域となっています。

 

現代の錦帯橋

 

• 架橋以来約270年間、架け替えを繰り返しながら威容を保った錦帯橋ですが、昭和25年（1950年）の台風による洪水で流失。しかし、市民の強い要望により昭和28年（1953年）に木造で再建されました。

• その後も平成の時代に大規模な架け替えが行われ、その技術と美しさが現代に伝えられています。

岩国市の魅力②伝統的が残る食文化

岩国市の食文化は、岩国藩の歴史と、瀬戸内海の豊かな海の幸・山の幸が融合した、華やかで伝統的な郷土料理が特徴です。

主な食文化と名物料理は以下の通りです。

 

1. 殿様寿司：岩国寿司（いわくにずし）

 

岩国を代表する郷土料理であり、その豪華さから「殿様寿司」とも呼ばれます。

• 特徴: 大きな木枠（箱桶）に酢飯と具材を何層にも重ねて押し固める、豪快な押し寿司です。

• 歴史: 藩政時代、祝い事や特別な席で一度に大人数分を作るために考案されたと伝わっています。

• 具材: 錦糸卵、椎茸、穴子（煮付け）、蓮根（れんこん）、きぬさや、桜でんぶなど、瀬戸内海の幸と山の幸がふんだんに使われます。特に、岩国名産の蓮根が必ずと言っていいほど使われるのが特徴です。

• 作り方: 飯を敷き、具を乗せ、さらに飯を重ねて重石で強く押す工程を繰り返すため、しっかりと固まり、持ち運びにも適していました。

 

2. 祝いの席の伝統料理

 

岩国地方の祝い事や特別な席では、「岩国寿司」の他に以下の二品が欠かせないとされます。

• 大平（おおひら）:

  • 里芋、蓮根、人参、ごぼう、こんにゃくなどの新鮮な野菜や山菜、鶏肉をじっくりと煮込んだ煮物です。

  • 材料の新鮮さと伝統的な煮方に秘訣があり、独特の深い味わいがあります。

• 蓮根の酢の物:

  • 岩国名産の蓮根を使った酢の物です。

 

3. その他の名物・食文化

 

• 岩国茶がゆ: 藩政時代から伝わる郷土料理の一つで、米を煎ったものや番茶などで炊いたお粥です。

• 瓦そば: 山口県全域の名物として知られますが、岩国市内でも多くの郷土料理店で提供されています。熱した瓦の上に茶そばと具材を乗せ、つけつゆで食べる料理です。

• 岩国のシロヘビ関連: シロヘビが金運・開運の守り神として崇められていることから、シロヘビにちなんだ土産菓子やグッズも多く見られます。

岩国市の魅力③暮らしやすさ

岩国市は、歴史的な名勝と豊かな自然環境に恵まれながら、広島県に近い立地と手厚い子育て・教育支援によって、比較的暮らしやすい地域と評価されています。

特に、子育て世帯や、自然と利便性のバランスを求める人々にとって魅力的です。

 

1. 交通とアクセス

 

• 広域交通の利便性:

  • 山口県内でありながら、隣接する広島県（特に広島市）へのアクセスが良好です。車で30〜40分程度で広島市への買い物や都市機能の利用が可能です。

  • 新幹線の駅（新岩国駅）もあり、広域移動にも対応しています。

• 市内交通の課題（車社会）:

  • 地方都市の例に漏れず、市内移動は車が必須です。生活道路は狭い箇所もあり、時間帯によっては交通渋滞が発生しやすいという声もあります。

 

2. 子育て・教育支援

 

岩国市は特に子育て支援に積極的で、経済的・環境的な支援が充実しています。

• 医療費無料化: 所得に関わらず、乳幼児から中学校卒業までの子どもの医療費がすべて無料です。これは経済的な負担軽減として非常に手厚い支援です。

• 給食費無料化: すべての市立小・中学校で給食費を無料で実施しています。

• 出産祝い金: お子様が誕生した際に、1人につき10万円を支給しています。

• 学習環境の整備: すべての小・中学校の普通教室に空調設備を整備済みです。

• 国際交流: 米軍基地がある土地柄を活かし、青少年海外派遣事業や基地内の児童・生徒との交流など、国際理解を深める機会が豊富です。

 

3. 医療・生活環境

 

• 医療体制: 子どもの医療費無料化に加え、医療福祉制度が充実しており、安心して暮らせる基盤があります。

• 買い物: 市内にはコンビニ、業務用スーパー、ホームセンターなどがあり、日常の買い物に困ることは少ないです。中山間地域向けには、移動販売を行う事業者への補助など、地域ぐるみの支援体制も整えられています。

• 自然環境: 錦帯橋、錦川、瀬戸内海など自然が豊かで、景観や散策に適した場所が多いです。

 

4. 移住・定住支援

 

• 移住支援補助金: 東京圏から移住する方を対象に、「移住就業・創業促進事業費補助金」（世帯最大100万円、単身最大60万円など、条件による）を支給しています。

• 交通費補助: 移住活動のために岩国市を訪れる際の交通費の一部を補助する制度があります。

• お試し住宅: 移住を検討している人が利用できる「お試し住宅」が用意されています。

総じて、岩国市は、豊かな自然と歴史的景観の中で生活しながら、子育て世代に対する手厚い経済支援と国際的な教育環境を享受できるため、高い暮らしやすさを持つ地域と言えます。

岩国市の対応エリア

飯田町 / 昭和町 / 立石町 / 元町 / 桂町 / 日の出町 / 川口町 / 三笠町 / 今津町 / 麻里布町 / 砂山町室の木町 / 山手町 / 川下町 / 旭町 / 三角町 / 車町 / 中津町 / 楠町門前町 / 尾津町 / 灘町 / 愛宕町 / 黒磯町 / 青木町 / 保津町相ノ谷 / 二鹿 / 天尾 / 瓦谷 / 守内 / 上田 / 入野 / 廿木 / 大山 / 伊房 / 土生 / 角 / 保木錦見 / 岩国 / 関戸 / 牛野谷町 / 平田 / 柱野 / 六呂師 / 阿品 / 海土路町 / 南岩国町 / 御庄玖珂町（阿山/有延/市頭/臼田/上市/駅通/大田/上谷/欽明路/久門給など）本郷町（宇塚/西黒沢/波野/本郷/本谷など）美川町（小川/四馬神/添谷/南桑/根笠など）美和町（阿賀/秋掛/生見/大根川/釜ケ原/上駄床/岸根/北中山/黒沢/佐坂/渋前/下畑/瀬戸ノ内/田ノ口/中垣内/長谷/滑/西畑/日宛/百合谷など）